農業土木で生きていく。inタイ・コンケン

とある大学院生の日記。

農業土木分野で研究活動をする大学院生のブログ。研究、留学、サッカー観戦、民族音楽演奏、食べ物、日々の生活について書きます。

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研究のお話ー塩害についてー

今回はこの1年間の留学のメインである私の研究についてのお話です。

 

みなさま、下の写真、何の写真かわかりますか??

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なんか、土?に白いもの??がいっぱい…

日本だと雪?みたいな話になるかもしれませんが、ここはタイですよ。気温38度??とかですかね。笑

これ、実はなんです!!

 

この場所では土壌塩性化が起きていて、土壌表面が塩類集積しています。これらは一般的には塩害と言われるもので、一般的な植物の生育不全を引き起こすため、農業的にはよくないものとされています。

さらに言うと、ダム、ため池、河川や水路などから人為的に農地に給水を行う農業を灌漑農業(かんがいのうぎょう)と言いますが、FAOによると灌漑農地は世界の農地の20%を占めており、この灌漑農地だけで世界の農作物の40%を生産しています。しかし、なんとこれら灌漑農地の約20%が土壌塩性化(もちろん程度は様々です)しているというのです。

私は、このような塩性化した土壌から塩を除去する(=除塩)技術を開発し、農地での作物の生産性を向上させたいと思い、微力ながらも研究をしています。

 

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こちらの写真は土壌調査の様子です。土壌サンプルを採取して、研究室に持ち帰ってEC(電気伝導度:塩性化の指標)やpHを測定します。

私の研究では、このようなフィールド調査による土壌サンプル・水サンプルの採取と室内実験、また吸着材を用いた低コスト節水除塩技術の開発などを主にやっています。

 

土壌塩性化という問題は、乾燥地でしばしば起こるものですが、日本においても干拓地、ハウス栽培農地、または津波によって海水がかかった農地などでも起こります。3.11の際にも津波による農地の被害がかなり出ているので、低コスト節水除塩技術を開発することで日本にも貢献できればと思っています。

 

 以上、私の研究についてでした~

ではでは